旧作 旧作・高原へいらっしゃい 
(昭和50年度・山田太一作品) 

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スポーツニッポン S51.4.25

ホープ 古今亭八朝

 TBS「高原へいらっしゃい」で、初めてドラマに出演している落語家。この作品では、人づき合いが好きで、バーテンとなった楽天的な明るい青年役。下がりまゆげの人なつこい顔が、役柄にはまっている感じ。

 昭和二十六年七月、東京豊島区生まれ。七年前、都立明正高校時代に、古今亭志ん朝に入門、四十七年志ん吉の名で初高座、五十年八朝となり二ツ目に昇進。現在TBS「3時にあいましょう」でレポーターをつとめている。

 このドラマ出演の話があった時、師匠の志ん朝に相談したら

「1週間のうちドラマに入る4日間は落語のことは忘れろ、ただ一生懸命にナマの自分をぶつけろといわれ、この師匠の言葉でふん切りがつきました」


あの人は? 古今亭八朝

高原へいらっしゃい(TBS・木曜夜9時)

初ドラマ!本業忘れて全力 八方破れでやってます

 ドラマ初のレギュラー出演だそうだ。それでいて、けっこう無難にこなしているのは、持ち前の度胸の良さからといえよう。都立明正高校二年生の時「オレは絶対、噺家(はなしか)になるんだ」と古今亭志ん朝のところへ押しかけ、弟子入りした。七年前の昭和四十四年のこと。

 昨年、十一月に八朝を名乗り二ツ目になったとたん、急に売れはじめて、TBS「3時にあいましょう」の突撃レポーター、そして、今後の同「高原へいらっしゃい」のバーテンダー役。番組では楽天的な性格の男をうまく演じて、お茶の間のファンの注目をあつめている。

 「へーえ、そうですか? 初のドラマ、それもレギュラーというので正直、迷いましたね。師匠に相談したら、素人のお前が上手に演技できるわけがないのだから、ただ一生懸命に自分をぶつけてみろ、といわれましてね、これでふん切りがつきました。八朝が八方破れでやっているだけですよ」


残り三日で落語

 1週間のうち、4日間は、本業の落語を忘れて、ドラマの本業の落語を忘れて、ドラマの演技に体当たりしている。共演の池波志乃は、師匠、志ん朝のメイ。

 「志乃ちゃんとは兄弟みたいにして育った仲ですからね。彼女の方が年下だけど、役者としては先輩、彼女からいろいろ指導してもらうつもりなんですよ」

 自分で“口もハッチョウ、手もハッチョウ、ハッチョウ荒らしの落語の八朝”というキャッチフレーズを作ってあちこちで自分を売り込んでいるだけに、ソツがない。

 本業の落語の方は、師匠ゆずりの古典一本やり。お得意の演目は「粗忽の釘」「道具屋」などだそうだ。「四日間をテレビにとられ残りの三日が落語のけいこでしょう。メチャクチャに忙しくて」うれしくてたまらないようだ。