旧作 旧作・高原へいらっしゃい 
(昭和50年度・山田太一作品) 

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記事 夕刊フジ S51.4.3



〇チャンネルを往く えと文 由原木 七郎

  ちゃっかり古今亭八朝ならぬ“八方”胸算用

「高原へいらっしゃい」TBS毎日系
連ドラ初出演 “TVに出れば芸も名前もギャラも・・・”

 「高原へいらっしゃい」(TBS・毎日系木曜後9・0)は田宮二郎を中心にきのうまでは見知らぬ十人の仲間が、高原のホテルを再建するまでのドラマ。作劇法でいう「グランドホテル」形式で、笑いと涙、スリルとサスペンスを盛りこもうという欲ばったものだが、中でも異色なのは池波志乃と古今亭八朝。

 人も知る志乃ちゃんは馬生の娘だが、八朝は馬生の実弟志ん朝の弟子で、目下のところ2ツ目の落語家。むろん連ドラ出演は初めて。そこでなにくれとなく彼のめんどうを見ているのが志乃ちゃん。彼女に、

 「八朝をよろしく!」

 といわれれば、ちかごろ一段と女っぽさを増した彼女の魅力にスタッフも二つ返事でOK。

 「師匠(志ん朝)にはドラマに出ている以上は、落語のことは忘れろ。そして、何かをつかんで帰ってきて、それを高座で生かせときつくいわれまして・・・」
 まではいいのだが、

 「いまの世の中、顔を売るにはテレビが一番。関西の落語家の進出を東京の落語家が黙って見ていることはありませんものね。顔と名前が売れればギャラの方も、ボーンとあがりますし、いいことだらけ、八方めでたしですよ」

 “当世胸算用”を地でいくような八朝、いっそ古今亭八方とでも名を変えますか。どうやら、新しいタレントがまた生まれる可能性があるようです。




今週の芸能情報 S51.5.27

ただいま出演中

『高原へいらっしゃい』(TBS)の
小笠原史朗役 古今亭八朝(24歳)

 落語家・古今亭志ん朝の弟子。現在、二ツ目である。ドラマ出演はこれがはじめて。

 「正直、迷いました。師匠に相談したら“ト書き”つきで賛成されました。“1週間のうち、このドラマのリハーサルと本番の4日間は落語のことは忘れろ。素人のお前がじょうずに演技できるわけがないのだから、ただ一生懸命に自分をぶつけろ”そういわれてふんぎりがつきました」

 役どころは、人づきあいが好きなバーテンダー。レギュラー出演である。
 志ん朝に入門したのは44年3月、初高座は志ん吉の名で47年5月。昨年の11月、八朝となり、二ツ目に昇進した。得意の演題は『粗忽の釘』『道具屋』など。

 「口もハッチョウ、手もハッチョウ、ハッチョウ荒らしの落語は八朝」
 これがキャッチフレーズだそうだ。本名・丸山美治。