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リメイク版の第3話解説1

2003年7月26日 (土) 01:50 

 その頃、ホテルでは、神崎に出す夕食のメニューについて面川と小池(菅原文太)が対立していました。面川は、神崎を迎えるにあたって、神崎の嗜好をリサーチしてフランス産高級ワインや高級牛肉を注文し、神崎好みのメニューを小池に作るように指示しますが、小池は高級ワインや高級牛肉をキャンセルし、地元の食材にこだわりました。

 お客さまの嗜好をリサーチして食材やメニューを決める。この面川の判断は正しいのです。一流ホテルなら、そのくらいのマーケッティングは、どこでもやっています。一流ホテルなら、部屋掃除する前に、部屋をチェックして、お客さまの求めているサービスをチェックし、それを報告することは、べつだん珍しくないし、電話はナンバーディスプレイで、電話が鳴ると瞬時にパソコンに顧客データーベースが表示されることは、当たり前のことになりつつあります。どのホテルも生き残りをかけてマーケッテイングに必死になっています。面川のように、お客さまの嗜好を調査して、それに合わせてメニューを決める。それはとても正しいことなのです。

 しかし、その正しいはずの面川の判断に小池は逆らいます。それで面川が面食らったのですが、この小池の提案は、面川が今までやってきた、お客さまのニーズを満たすというマーケッテイングとは毛色が違っていました。お客さまのニーズを満たすのではなく、お客さまに新しい提案を行ったのです。

 小池はは、考えたメニューを面川に渡しました。面川は、考えたあげく小池のメニューを神崎に出す事を決めました。神崎のニーズを満たすことは中止したのです。

 面川は、神崎好みのワインと、八ヶ岳ワインのどちらにするかと聞きました。神崎は、「シェフのおすすめは」と聞きました。面川は「八ヶ岳ワインです」と答えると、なんと神崎は、自分の好きなワインを捨てて、シェフのおすすめの八ヶ岳ワインを選んだのです。神崎は、ニーズよりも、シェフの提案を選んだのでした。