リメイク版の第3話解説4
2003年7月27日 (日) 08:41
人間は、わがままな存在です。どんな素晴らしいサービスを受けても直ぐに慣れてしまう。それが『あたりまえ』になってくるのです。そして、もっと上のサービスを要求してきます。人間の欲望は果てしないのです。ホテルを知り尽くした神崎氏にとっては、少々のサービスくらいで驚かないでしょう。
しかし、感動についてはどうか?
神崎氏は八ヶ岳高原ホテルで『小さな感動』を体験しました。その小さな感動とは、ホテルではお荷物になりつつある山村久美(市川実和子)が、自分の世界を、自分の内面を、神崎氏に見せたことにあります。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い…と白黒はっきりした性格をもつ彼女の世界は、神崎氏の心を少しだけ揺さぶったようです。
それにしても、リメイク版の高原へいらっしゃいは、スタッフ一人一人の内面世界を上手く描いてますね。旧作がセリフとセリフのぶつかり合いによってモンタージュの効果で視聴者を引っ張っていきました。けれどリメイク版は、セリフのぶつかり合いはあまりありません。かわりにも美しい八ヶ岳と人間の表情。そして素晴らしい演出と美術さんやカメラさんのがんばりが目につきます。シナリオはともかくとして、映像は旧作を遙かに超えていると思いますね。
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