解説4
2003年7月27日 (日) 09:28
本間さおりは、小池さんに相談します。
「余計なことを言った私が悪かったんですが、だからと言って、うそこまで卑屈になる必要があるんでしょうか? お客さまだからと言って、何でも謝らなければならないとするなら、私、もう自信が・・・・」
本間さおりは、お客さまに頭を下げる面川さんに対して「卑屈」だと思った。
しかし、面川さんは、腹はたてていても
自分が卑屈になっているとは、夢にも思ってないでしょう。
冷蔵庫を売ろうと頭を下げている電器屋の親父だって、卑屈だなんて、これっぽっちも思ってないし、大根を売ろうと頭を下げている八百屋の親父だって卑屈になっているとは、これっぽちも思ってないはずです。むしろ誇りをもって頭を下げていると思います。腹はたてていても誇りをもって頭を下げていると思います。それが本間さおりには分からない。お客さまを殴ってしまった中原にもわからない。
冷蔵庫も大根も、お客さまを殴ったりはしません。
もし、そんな冷蔵庫や大根があったら欠陥品です。
そういう意味で本間さおりや中原は、欠陥品なわけです。
悪いのはお客さまではなく、ああいうお客さまが現れた時に対処するマニュアルが無いことです。
ああいうお客さまに
「迷惑だと思いませんか?」
と怒鳴るのはプロとはいえません。
プロなら、面川と相談して、お客さまをバーに誘導するか、すみの方に空いている客室をもう1室提供するかして、なおかつカクテルのサービスをするなどして、ああいうお客さまも精一杯もてなせば良かったと思います。そして二度と予約を受けつけなければいいのです。ナンバーディスプレイ機能とデーターベースソフトの力でそういう事が簡単にできる時代なのですから。
この点、なんだかんだ言っても旧作の高原へいらっしゃいでは、従業員の教育が、きちんとできていました。スタッフは、トラブルが発生するとすぐに面川清次(田宮二郎)に報告して指示を待ちました。そういう意味でリメイク版の高原へいらっしゃいの面川さんは、旧作の面川さんより苦労しそうです。
旧作の従業員と新作の従業員。 どっちを使いたい? と問われれば、私なら旧作の方です。 みなさんは、どちらの従業員と一緒に仕事したいですか?
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