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解説6

2003年8月26日 (火) 20:45 ちょっと休憩

 リメイク版『高原へいらっしゃい』とは何であったか?
 という事を考えて見ました。

 熱烈な旧作ファンの私が、こんな事をいうのも何なんですが、
 作家があまりにも旧作にこだわりすぎてないかな?と思いました。

 例えば、ホリケンと市川実和子のやりとり。
 旧作では、山田太一の筆では絶対に書けなかったシーンです。
 それから菅原文太の線香花火のシーン。
 それを見つめる八千草薫のシーンだってリメイク版でないと無理だったと思います。

 そして、そういうシーンは、佐藤浩一の面川さんだからこそ描けたのではないかと。
 旧作の田宮次郎の延ずるカリスママネージャーの設定だったら、
 ああいうシーンを入れる事は不可能でした。

 一見して凡庸な感じのする佐藤浩一面川さんが中心にいるから成立したシーンだと思いました。

 リメイク版と旧作。
 これは本当に別物ですね。

 その差は、時代劇と西部劇の差より大きいかもしれません。なのにリメイク版は、やたらと旧作をひきづっていたような気がします。山田太一さんに遠慮して、思い切った書き換えができなかったのかなと勘ぐりたくなります。もっと早くから大胆にホリケンと市川実和子のやりとりのようなシーンがあっても良かったと思いましたし、菅原文太や井川遥の内面もっと見れたらよかった。もっと旧作から離れてもよかった。

 私は旧作の熱烈なファンで、
 自分で大勢のスタッフを集め、ペンションとユースゲストハウスを経営するほど
 旧作をこよなく愛する人間ですが、そういう人間の気持ちとしては、リメイク版も愛したい・・・・です。

 だからリメイク版も温かく見守ってきました。
 このホームページで、できるだけリメイク版を応援してきました。
 けれど、そういう人間が、つくづく思うのは、旧作に遠慮しすぎたのではないかという事です。
 もっと自信をもって書き換えてよかったのではないかということです。



2003年8月28日 (木) 01:55

 そうは言うもののリメイク版は、充分に面白かったと思いますし、これはこれで良いドラマだと思います。旧作の田宮次郎面川さんだって、満面の笑顔をうかべながら、そうおっしゃってくれるのではないかと思います。

 それだけに『これから』という時に
 ドラマが終わってしまうのが残念でなりません。
 せめてあと10話。
 理想を言えば、全52話くらいあれば、
 不朽の名作として『北の国から』を超える素晴らしいドラマとして後世に残ったのにと思います。

 それにしても美しい景色でした。
 あの地域の気候を知っている者として、今年の天侯で、よく撮ったなと思います。

 セットもすごいですね。
 あれだけのセットは、なかなか作れるものではありません。
 スタッフ・キャストの皆さんも、ずいぶんがんばったのではないですか?

 それからあのBGMに、予告編に流れる、浜あゆの曲。最初は、違和感がありましたが、今では、みんな大好きになりました。音楽著作権にひっかからなかったら、うちのペンションにBGMとして使いたいくらいです。良い曲だと思いますね。清里や野辺山の観光協会は、どんどん使うべきだと思います。

 そういう意味でリメイク版の『高原へいらっしゃい』は、清里や野辺山の観光協会にとって、まさに神風でしたね。
 ただ『北の国から』のような大作にならなかったのが心残りでしょうが。

 それにしてもリメイク版『高原へいらっしゃい』、スペシャル番組にならないんでしょうか?
  視聴率が気になるのがテレビ局の方針だとすると無理なんだろうな。

 それから今回の件で、もう2度と山田太一作品のリメイク版はできないような気がします。
 山田太一作品は、中途半端に変えると火傷しますね。
 というのも、山田太一作品は、山田太一という一つのジャンルだからです。