旧作
 リメイク版
 ノートブック
bbs(伝言版)
 その他
  物語     解説     スタッフ     キャスト     ロケ     資料         

top 前説 10 感想 思索 その後

解説1

2003年8月28日 (木) 20:58

 八ヶ岳高原ホテルに変な男がやってきました。作業着姿の宮梶(光石研)という、どう見ても観光客には見えない男が泊りにきたのです。この宮梶は、日が暮れる頃に八ヶ岳へ向けて出発し、なかなか帰ってきませんでした。不安になりつつも心配して待っていると、夜道に捻挫して倒れている宮梶が発見され、八ヶ岳高原ホテルに運び込まれました。そして、小池さんの御馳走に一切箸をつけない宮梶。そんな宮梶が、

『八ヶ岳に登りたい』

と言い、それをいさめる面川さん。面川さんは、宮梶が気になって仕方が無い。テレビを見ていた私も気になりました。この宮梶という奴は、ホテルに自殺しにきたんだと、てっきり思い込んでしまいました。

 翌日、足を引きずりながら八ヶ岳に登ろうとする宮梶をみつけた面川さんは、一緒についていくことにしました。おそらく私でもついて行ったと思います。そういう経験を御持ちの宿主さんは多いかと思います。

 宮梶は、八ヶ岳が一望に見渡せるところに面川さんを連れ出して
『ここに昔、社員旅行で来たんです』
と語ります。そして宮梶は、自分の会社が連鎖倒産の危機を迎えていると告白しました。

 面川は、そんな宮梶の語りを優しく聞いてあげるのでした。慰めるでもなく、元気付けるでもなく、優しく聞いてあげ、そして控えめに意見をいうのでした。すると宮梶は、急に元気になりました。この瞬間、
『もう大丈夫だ』
と私と面川さん思いました。いや、面川さんも思ったと思いました。私にも、こういう経験が何度かありましたから、私は、ちょっと感情移入して見ていました。