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解説3

2003年8月28日 (木) 20:59

 リストラとは、再構築のことです。
 首切りのことではありません。

 取引先が倒産した宮梶は、リストラつまり再構築を迫られましたが、
 馬鹿のひとつ覚えのように首切りくらいしか案がうかびません。

 しかし、中小企業にとって、首切りは、わりに合わないのです。
 だから、できることなら取引先の新規開拓や
 限界利益率の見直しによるリストラをしたいところですが、
 宮梶は狼狽のあまり、何をしていいかわからなかった。

 これは八ヶ岳高原ホテルをオープンさせる時に、有名調理人を確保することによって、集客をするという馬鹿の一つ覚えのような考えしか浮かばなかった面川さんにも通ずるものがあります。だから料理人に逃げられた面川さんの狼狽ぶりはひどいものでした。

 8話に登場し、小池さんを引き抜くことによって、
 自分のホテルを再生しようとした絹江(八千草薫)も、
 面川さんや宮梶と同じでした。
 引き抜きという馬鹿の一つ覚えのような考えしか浮かばなかった人間です。

 宮梶・面川さん・絹江。

 この3人に共通していることは、再構築(リストラ)を迫られているのに、何をどうしたら良いかわからなく、安易な考えしか浮かばなかったことです。そして、その安易な考えから、脱する決意をもち、本物の企業再構築を発見しつつあることです。では、本物の再構築とは、いったい何なのでしょうか?

 実は、それを知っているのが、
 小池さんであり、ホテル評論家である神崎氏だったのではないのでしょうか?
 私は、9話を見つつ神崎氏の言葉を思い出しました。

『ホテルは人である』

 確かにそうです。
 ホテルに限らず、あらゆる分野は、人によって作られます。
 そして、なによりも人を作るコストが一番高いのです。

 だから、たいていの経営本には、中小企業において人間の首切りほど割に合わないものはないと書いてあります。では、人とは何なんでしょうか?