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解説9

2003年9月5日 (金) 11:18

ところで面川さんですが、八ヶ岳高原ホテルを辞めた後、1年間ホテル専門学校の講師をしているのですが、いつもうわの空でした。気がつくと一流ホテルの玄関をボーッとみている面川さんなのでした。やっぱりホテルが忘れられないんですね。

 しかし、ホテルを忘れられないくせに一流ホテルからの求人は断っているのです。奥さんも、矢野社長も、それが不思議でなりませんでした。やっぱり面川さんには、八ヶ岳高原ホテルしか眼中にないんでしょうか?

 いいえ、違います。

 八ヶ岳高原ホテルでないと嫌なのではなくて、八ヶ岳高原ホテルを一緒に作っていった仲間と一緒でないと嫌なのです。あの仲間が一人でも欠けていたらダメなんです。つまりホテルは『人』なんですね。『設備』でも『マニュアル』でも『立地』でもないわけです。人なんです。人と人のつながりであり、人と人との出会いなんですね。

 決して優秀とはいえないメンバーだったけれど、一緒にホテル作っていった仲間たち。その仲間たちが欠けては八ヶ岳高原ホテルは成立しなかった。これはリメイク版『高原へいらっしゃい』にもいえることかもしれません。決して条件のいいテレビドラマではなかったし、今年の最高傑作ドラマとは言いがたいんですが、手作り感のただよう、この物語には、作り手の『人』を感じました。キャストたちの『人』を感じました。