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面川清次を検証

2003年9月3日 (水) 10:41 

 リメイク版の面川さんは、旧作の面川さんと、明らかに違っています。どこが違っているかと言うと、旧作の面川さんは、御客さまを殴って、一度転落した駄目人間なんですね。しかし、その転落ぶりは、決して他の人に見せようとしません。プライド高く、あくまでも皆さんに笑顔をふりまきつづけます。そして、社長の助けを借りてホテルを成功させようとしています。

 ところがリメイク版の面川さんは、駄目人間と言うより、駄目経営者だったんですね。任されたホテルを潰してしまった駄目経営者。しかも、上の方針に従ってリストラをし、本間さおりの父親の首を切り、そのあげくのはてに、ホテル評論家の神崎氏に酷評されてしまったわけです。

 御客さまを殴ってホテル界を追放され、アルコール中毒になってしまい、妻に愛想をつかされた旧作の面川さん。それに対して企業戦士として、容赦なく首切りリストラをし、あげくのはてにはホテルを潰し、アルコールに走ってしまったリメイク版面川さん。

 旧作とリメイク版では、同じ面川さんでも全くの別人になってしまっています。旧作では、人間の個人的問題を扱っていますが、リメイク版では、リストラ・買収・企業組織といった社会問題を扱っています。だから旧作は、面川さんの個人的なことが大きなテーマだったのに対して、リメイク版では、面川さん個人の問題よりも、もっと大きな問題がテーマとして扱われていますね。この差は大きいですね。