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解説1

2003年9月4日 (木) 23:28

 今回のリメイク版を見させていただいて、ドラマに対する認識を改めさせられました。これは、私にも意外な決論ですが、完成されて無いドラマというのもあっても、いいのではないかということです。

 完璧なシナリオと、
 キャストの熱演と、
 スタッフの頑張りに、
 文句無い予算と宣伝。

 そういう作品のドラマが、一番いいに決まっています。
 私は、それについて疑ったことは無かった。
 全てがよれれば、それでいい。
 それについて疑おうとは思っていませんでした。

 しかし、リメイク版『高原へいらっしゃい』を全部見ていくうちに、こういう作品もあっていいなと思いました。ストーリーもアイデアも決してずば抜けているというわけではないし、演出も演技もシナリオも、今年最高のドラマだったとも思えません。むしろ欠陥があり、未完成さが目だった。しかし、その未完成さに、とても惹かれるものがあるのです。

 それはなぜかと考えた結果、このドラマのテーマである、『人生は第二章からはじまる』にあると思いました。

 つまり、このドラマ自体が第二章だったということです。
 そもそもリメイク版ということからして、企画の段階から第二章の企画でした。
 強力な裏番組に対しても第二章でしかなく、
 山田太一という天才的ライターに対しても第二章でした。
 佐藤浩市さんにしても、田宮次郎と比較したら第二章です。
 そして、この第二章というところに、柔らかな魅力を感じるわけです。
 そして、ついつい自分を重ねてしまい応援したくなってしまう・・・・。