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解説4

2003年9月4日 (木) 23:30

 禁断の酒を飲んだ翌日、面川さんは、なにやら決意を秘めていました。その決意とは、ユナイトホテルの沖に、スタッフ全員の雇い入れを条件に八ヶ岳高原ホテルで働くことを申し出ます。けれど沖は、面川の願いを却下します。理由は、他のスタッフがユナイトホテルの一流接客をマスターするのに1年かかってしまうからという理由からです。

 これは本当です。

 ホテルマンどころか、プロの配膳人になるのだって最低1年以上の教育が必要なことは、この世界の常識ですから沖の言っている事は本当の事です。しかし、ここが、面白いところなんですが、マニュアルをマスターしてない八ヶ岳高原ホテルのスタッフでも、充分に集客ができるし、ホテルを繁盛させられるのです。

 この世界では、おおむね繁盛した方が正しい(=御客さまの支持を得ている)わけですから、沖は、面川さんのいうスタッフ全員残留をかなえてもよかったはずですが、そうはならなかった。そして、スタッフ全員ホテルを去ることになりました。

 そして面川が沖の誘いを断ったという知らせを受け、矢野社長が初めて八ヶ岳高原ホテルへやってきます。
 矢野社長は、面川の選択に納得がいっていない様子でしたが、面川さんの才能を見直していました。

『君は勝ったんだ』
『いえ、勝ったとは・・・・』

 この言葉の後に、面川さんが言いたかった言葉は、

「勝ったのは私ではありません、あの百姓たちです。いや、この八ヶ岳高原ホテルのスタッフたちです」

だったのかもしれません。