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総括11

2003年9月8日 (月) 08:51

   『高原へいらっしゃい』のリメイク版がスタートしたころ、私どもの宿に何人かの『高原へいらっしゃい』ファンが泊まりに来てくれました。そして御客さまと一緒にリメイク版をみたりしたのですが、とうぜんの事ながら旧作ファンのリメイク版に対する批判は厳しいものがありました。

 その時、なにも反論もせず、ただ沈黙してうなだれる人たちは、リメイク版に心を癒されて、私どもの宿にやってきた方々で、大半の方々は、9話に登場した宮梶さんのような方々だったのです。

 旧作ファンは、旧作に登場する大貫さんのようにリメイク版を攻撃しているのに対し、リメイク版のファンの方々は、宮梶さんのように押し黙り、旧作ファンの攻撃に耐えている。そんな図式が見え隠れしたのです。

 この図式を田宮次郎面川さんがみたら、きっとリメイクファンの御客さまに得意の笑顔をみせながら、テキパキと対処していただろうし、佐藤浩市面川さんがみたら、控えめにリメイクファンの方々に接していただろうと思います。

 私も、旧作を絶賛しつつリメイク版をけなし続ける御客さまよりも、じっと押し黙っているリメイク版ファンの御客さまの味方にならなければと思いました。



2003年9月8日 (月) 08:52

 と言っても、私は、バリバリの旧作ファンです。
 しかし、リメイク版ファンの味方でありたい旧作ファンです。
 リメイク版に癒されている御客さまの心を
 踏みにじるようなことはしたくなかったんですね。

 というか、自分から進んでリメイク版の良いところを発見し、リメイク版の何が、大勢の視聴者の心を癒しているのかを研究しなければと思いました。そして、現代には、山田太一さんのもつ鋭い人間ドラマと仕掛けよりも、田宮次郎と前田吟の熱演よりも、リメイク版のもっている、ゆっくりとしたリズムと、佐藤浩市や菅原文太の心静かな演技による癒しこそがひつようではないかと思ったのです。

 考えてみれば、リメイク版には、小室等とムーンライダーズも、中島みゆきも似合いませんでした。あの静かなBGMと、ひかえめな浜崎あゆみの曲こそリメイク版にはあっていました。

 何もかもが、主張を控えめにしたリメイク版。
 演出も、演技も、セリフも、シナリオも、ストーリーも、BGMも、主題歌も、
 佐藤浩市面川さんの訴えも、
 押しの強さも、全て控えめにできていたリメイク版。
 そんなリメイク版の価値は、昨今のドラマの中では、かなりの希少価値なのではないでしょうか?